どうも。救急ER看護師のナナオです。
久しぶりの満員電車。
人も阿呆ほど多い。
そして今日も私は自ずと開閉する扉のそばにポジショニングする形に。
電車の扉の窓に顔がへばりつき、缶詰めの中でギューギューになっているシーチキンの気持ちが少しわかった気がする。
ipodのイヤホンからはももいろクローバーとAKBの曲がリピートでよどみなく流れてくる。
なぜ私は朝からこんな曲をチョイスしてしまったのだろうか。
曲を変えようとするが、電車内がギューギューすぎて、ipodの入ったポッケまで手が届かないし動かせない。
だから今はただただ、ももいろクローバーのUPテンポな曲と意味不明な歌詞が、イヤホンから音漏れしてないことを神に祈るのみ。
ん?
気付くと隣の女がなんかもぞもぞしている。
よく見ると、女が手に持っているカバンが、電車の扉に挟まったまま、電車が動いている。
そのカバンがよほど大事だったのか。
女は電車が動き出しても、扉に挟まったカバンを必死に抜き出そうとしている。
ももいろクローバーのUPテンポな曲と意味不明な歌詞が私の耳から脳内へと響き渡っていて、なんだかこっ恥ずかしくてそれどころではなかったのだが、その女の必死さと滑稽さが、なんだか気になる。
ここは英国紳士に負けじと、固く閉ざされた電車の扉に挟まった女性のカバンを救出するお手伝いをしてあげようじゃないか。
なんて、紳士気取りで扉に挟まったカバンに私が手をかけた瞬間…
女がこっちを向いて、なんか言ってる。
てか、怒ってる!?
「触るな」…と言ってるのだろうか?
そして私の手をはねのける。
沈黙…
モノクロのように止まる時間…
耳にはももいろクローバーの曲だけが流れ続けている…
ん?
怒っていたのか?
今怒ってたよね?
え?
それとも感謝?
新しいツン系の感謝の形?
いや、さっきの態度は絶対違うよな…
うーん。わからん。
てか、カバンを救出するお手伝いしただけなのに…
気まずい…
なんか気まずい…
そして私の耳にはいつまでも、ももいろクローバーの曲だけが流れ続けるのであった…
お話は続く☆★