どうも。救急ER看護師のナナオです。
私は今、歌舞伎町のサブウェイにいる。
いつものように特サブにバジルポテトのSを注文。
いつものようにいつもの席へと足を運ぶ。
あ!私のいつもの席なのに!
私のいつもの席に変なやつが座ってる…
変なやつと言えば御幣が生じるが、
女、ロングヘア、30歳くらいか?
見た目は貞子。
てか、髪が後ろから前方向にバサーっとなってて、顔見えないから恐い。
机の上にはパンやらタバコやらポテトやらがドバァァーって感じで食い散らかされている。
当の本人は寝てるのか起きてるのかわからんが…
椅子に座って胸から上の上半身をボクサーのグロッキー状態のようにグルグル回っている。
怪しい。
見るからに怪しい。
完全に怪しい。
怪しすぎるのでまわりのお客さんは、彼女を避けて座っている。
おかげさまで彼女のまわりの席はガラガラだ。
てか、彼女のまわりしか席、空いてないし!!
てか、そこ、元々いつも私が座ってる席やし!
ってことで、私は彼女の席の隣に座ることに。
きっと彼女はホストに惚れたり晴れたり騙されたりして、
その帰り道で、落ち込んだり、もがき苦しんだりして、
このサブウェイ歌舞伎町店に辿りついたのだろう。
そして今グロッキー状態になってグルグル回っているのであろう。
なんて勝手に予想してたら…
その予想が見事に当たった。
ガン!
乱暴にサブウェイの扉が開かれたと思ったら、
見た目100%のホスト君が現れて、
私と彼女の机と机の隙間(その隙間30cmくらい…)に入り込んできた。
ホスト君「おーい。俺だよ。田島の大好きな俺だよー。ほら、帰るよー。田島ー。」
どうやらグロッキー女は田島というらしい。
田島「いや、絶対いや、手離して!寝る!」
と、グロッキー田島はなかなかその椅子から立ち上がろうとしなかった。
(もう一度言うが、このやりとりは私の30cm横で行われている…てか、グルグル回ってたが、やっぱ寝てたんかい。)
ホスト君は一旦諦め、田島のカバンだけ持ち出し、一旦外へ。
1分後…
ホスト君は手下を2人ほど連れて戻ってきた。
ホスト君「俺が田島をおぶって行くからオマエラ荷物持ってタクまで運べや。」
手下「わかりました。」
と言って、ホスト君がグロッキー田島を運ぼうとするが、
田島はうんともすんとも言わず、駄々こねるガキのようにただただグロッキーになりながらもその場から動こうとしなかった。
そしたらそのホスト君がどうしたものかと私のほうを振り向き、
「すいませんね。お兄さん、ご迷惑かけて」
と言ってきたので、私は
「いいえ。私は大丈夫ですが彼女は大丈夫ですか?」
と聞き返した。
そしたらホスト君が私の真正面に座って、
「たばこ1本くれませんか?お兄さん」
と言ってきたのだが、
私は今紙巻きタバコを吸っているので、
「あ、今直ぐ出せませんが、作りましょうか?」
と言って、タバコを作ってあげた。
そこからなぜかホスト君が私に興味を持ち始めた。
「そ…そのタバコ、カリスマじゃないっすか!」
「え?お兄さん、何してる人なんですか?ちょっと気になってたんですけど、ひとり空気違いますよね?変な空気でてますよ。」
「え?看護師?男なのにナース?そっかそっか。だってひとりだけ空気違いますもん。変な空気でてますもん。」
やかましーわ!なんだ、新手のホスト勧誘か?
てか、変な空気とは失敬な。私はナースマン。常識人だぞ、きっと。
と心の中で呟いたが、話してみるとホスト君は意外にしっかり者の良い人であった。
その後、なぜだか彼と意気投合し、今と昔のホスト事情から始まり、人間とは何か。命とは何か。医者と看護師の在り方とは。そして芸人のすごさ。次長課長の河本さんについて。ホストの悩み。女のあれこれ。男と女とはどう付き合っていくべきなのか。さらには日本の政治と最近の千葉の停電について。災害が絶えない今、日本人はどうあるべきか…などなど、30分くらい語った。(盛ってないよ)
無論、グロッキー田島は直ぐ隣で相変わらず上半身グルグルしてる。
ホストの後輩君たちもそろそろしびれをきらして、
「先輩、そろそろタクシーに田島連れてかないとタクの運ちゃん怒られますよ。待たせてるんだから…」
と困っていたので。ホスト君と私もそろそろといった感じで
「じゃあ、お互いビッグになりましょう」
となぜか熱い握手を交わし、
そして強引にグロッキー田島を連れて彼らは去っていった。
一体なんだったんだろう、あれは。
てか、変な空気って、やっぱり失敬だぞ…。
その夜。
先輩と飲みに行った。
帰りにお風呂に入りたい…と先輩が言い出したので、一緒にお風呂に行くことに。
先輩はサウナへ。
私は大浴場へ。
その大浴場でも、初めての全く知らん人に…
「なんか他の人と違う変な空気ありますよね?」
と、唐突に言われた。
ん?誰だ、キミは!
私とキミは初対面だろ!
なんなんだ一体!
てか「変な」っているのか!?
「変な」がなければ、ちょっとアウトローみたいでかっこいいのに…
「変な」っている!?
なんだか不思議な1日だった。
そして飲みにお風呂に奢ってくれてありがとう。先輩!
お話は続く☆★